美意識創造研究所Blog_02
地球そして石について
小学生の頃から自然科学的な分野、例えばファーブルの昆虫記であるとか、日本や世界の地理、人々の生活、風習、動植物、自然現象、宇宙などにいたく興味をそそられた。何故なんだろうと考えた時、思い浮かんだのは現代の子供たちには想像出来ないであろうが、自然の中での仲間たちとの「遊び場の創造」や目前にあるものを使っておもちゃや道具などを作り出す想像力、未知なるものへの興味探求等ではなかったかと思う。その中に「鉱物」というとても魅力的な分野があった。水晶、紫水晶、石英、硫黄、黄鉄鉱、黄銅鉱、蛍石など石の結晶がこんなにも美しいものだということに気が付いた。岩石は私たちの周りに存在するだけではなく、地球内部、月、銀河系、宇宙全体を創るものでもあることを知った。一人で過ごす時間が好きだったせいもあるが、日曜日など父親の道具箱から金槌や石ノミなどを持ち出し、遊び場でもあった稲佐山への鉱物採集に夢中になったり、長崎駅の貨物操車場近くでこぼれ落ちた黄銅鉱、蛍石などを拾い集めたものだ。
建築の道へ進むことを意識しだした高校生の頃、石という素材が石器時代から永遠に身近な素材として伝承されていることに気付かされ、その存在感に圧倒されながらも自身で使う方法を模索することになっていった。建築の石は加工して磨いたり、表面をハンマーで細かく叩く、バーナーで焼いたりして使うことが多いが、日本の美意識や信仰の中では自然石そのものに神や魂が宿り崇高な素材として扱われることも多い。和の用途としてデザインする際は「自然のまま、在りのまま」の形を尊重し、石の顔をどちらに向けるかをよく考える。石や樹木には実は「顔」が存在するんです。私にとって石はとても大切なデザインアイテムの一つで、小さい頃から慣れ親しんだ足の裏への感触が柔らかくオランダ坂などの石畳に使われた諫早石は建築用床材に、海のアトリエの大テーブルは南アフリカ産ジャズバーグという黒御影石、ペルシャ産の深いブルーが美しいラピスラズリ(瑠璃)は銀行印に、アフガニスタン産レッドトラバーチンはカトラリーホルダーや建築壁材に、青く輝くブルーパールというノルウェー産の石は自らデザインした我が家の墓石球体にとあらゆる場面に石を多用する。それはいつも神聖な石達と共に在りたいという心の中に秘めた私なりのリスペクトだと思う。